4.ロックンロール・インスト・ブーム-1958年~1962年

  1. アメリカのインストルメンタル・ブーム
  2. イギリスのギターサウンド-RGMサウンド(RGM Sound)
  3. テルスター(Telstar)

4.ロックンロール・インスト・ブーム-1958年-1962年

C.テルスター(Telstar)

John Leyton-Johnny Remember Me

立ち上げ当初は、なかなかヒットが出ませんでしたが、1961年ジェフ・ゴダードが作曲し、ジョン・レイトン(John Leyton)が歌った「霧の中のジョニー(Johnny Remember Me)」が全英チャート1位。

アメリカンポップにはない哀愁を帯びたメロディと女性コーラス、独特なエコー処理が印象的な「霧の中のジョニー」はRGMサウンドを印象づけ、その後、発表した曲は次々とイギリスのチャートを騒がせます。
ジョン・レイトンはこの後も、同じジェフ・ゴダード作の「ワイルド・ウィンド」「霧の中のロンリー・シティ」でチャート上位を獲得。

ジョー・ミークも、マイク・ベリー&アウトロウズ(Mike Berry & The Outlaws)の「バディホリーに捧ぐ(A Tribute to Buddy Holly)」や、アウトロウズ単体の西部劇風味なギター・インスト「スウィンギン・ロウ(Swingin’ Low)」「アンブッシュ(Ambush)」などを上位チャートに送り込みます。(アウトローズは、若き日のリッチーブラックモア-Ritchie Blackmoreが在籍)

Telstar-The Tornados

そして、1962年、RGMサウンドの決定打ともなる、得意な録音技術を結集させた「テルスター(Telstar)」発表。
ビリー・フューリー(Billy Fury)のバックバンドだったトーネードーズ(The Tornados)にかいた2曲目の、インストルメンタル・ソングでした。

アメリカとイギリスのTV中継をつなぐために打ち上げた、通信衛星テルスターの名前をとったこの曲は、スペーシーな効果音と、ゴダードが弾く、当時あまり一般的ではなかったクラビオリン(Clavioline-Univox製-アナログシンセの走りのようなキーボード)が大きくフィーチャーされ、宇宙時代の幕開けという話題性とともに大ヒット。全米チャートの1位の栄冠を獲得。(レコーディングには、セッションミュージシャンとしてリッチーブラックモア-Ritchie Blackmoreが参加している。)

全米チャートの1位をとるということは、いままでアメリカのポップスを受け入れてばかりのイギリス勢の初めての快挙であり、イギリスでヒットチャートを独占していた、シャドウズでさえなし得なかった快挙でした。
「テルスター」はアメリカのチャートで3週間ナンバーワンを維持し、全世界で500万枚を売り上げました。

トーネードーズ(The Tornados)はこのヒットをきっかけにしてこの後もミーク作で「グローブトロッター(Globetrotter)」「ロボット(Robot)」、トーネードズからソロになったハインツ(Heinz Burt)が、ゴダードの作った「Just Like Eddie」などで、UKチャートをにぎわします。

The Honeycombs

1964年には、女性ドラマーハニーラントゥリー(Honey Lantree)が特徴的な「ハニーカムズ(The Honeycombs)」をプロデュース。「ハヴ・アイ・ザ・ライト(Have I the Right)」を全米4位までチャートインさせます。

順風に見えたRGMスタジオでしたが、隆盛はここまで。
時代がビートルズをはじめとするビート勢がミュージックシーンの主流になってくると大手レーベルの要求も、ビートサウンドでのヒット曲になり、ミークもいくつかビートバンドのプロデュースをしますがまったくヒットせず、ミークの時代は急激に終焉します。

4-B.イギリスのギターサウンド-RGMサウンド(RGM Sound)<<


4.ロックンロール・インスト・ブーム-1958年~1962年

  1. アメリカのインストルメンタル・ブーム
  2. イギリスのギターサウンド-RGMサウンド(RGM Sound)
  3. テルスター(Telstar)