4.ロックンロール・インスト・ブーム-1958年~1962年
- アメリカのインストルメンタル・ブーム
- イギリスのギターサウンド-RGMサウンド(RGM Sound)
- テルスター(Telstar)
4.ロックンロール・インスト・ブーム-1958年-1962年
A.アメリカのインストルメンタル・ブーム |
アメリカでは、洗練されたティーンエイジ音楽がヒットチャートを占めるなか、1958年頃から チャートに頻繁に上ってきた音楽があります。インストルメンタルです。
当時、ガレージで演奏してきたアマチュアミュージシャンたちには、すべてが組織化し、商業化されたポップス全盛の音楽業界では、なかなか発表の場が持てませんでした。
また、こうしたティーンエイジ音楽はどちらかというと、女の子や子供の聴くものであり、演奏する側としてはやりずらい、というミュージシャンも出てきます。
そういったミュージシャンがロックらしい表現として、ボーカルではなく楽器の音で表現するインストルメンタルに目を付けます。
インストルメンタルという音楽はロック創世記前から存在していました。
アイドルシンガーたちの活躍の場が、テレビや映画だったことに対し、こういったインストプレーヤーたちはラジオに目を付けます。
ラジオのDJたちが、番組の最後などに紹介もなく流し、リスナーの反応がよかったら、正式なプレイリストに加えてもらう、という地道な活動で、徐々に全国的なヒットを得ていきます。
![]() Lee Hazelwood&Lester Sill |
インストバンドは、様々な楽器を中心に据えていましたが、1957年、バックミュージシャンだったギタリスト、デュアン・エディ(Duane Eddy)がリー・ヘイゼルウッド(Lee Hazelwood)※というDJに見いだされ、彼の発案で、低音を強調した奏法にエコーをかけた独特の演奏方法(トゥワンギー・ギター)で、「Moovin’ N’ Groovin’」をリリース。2曲目の「レベル・ラウザー(Rebel-‘Rouser)」で全米6位まであがるヒットとなり、ギター・インストという新しいジャンルを生み出します。
※リー・ヘイゼルウッド(Lee Hazelwood):プロデューサー。レスター・シル(Lester Sill)の秘蔵っ子。ナンシー・シナトラ(Nancy Sinatra)のプロデュースで有名。ちなみにレスター・シルはフィルスペクターを発掘するプロデューサー。
このギター・インストは、後のサーフ・インスト、ホットロッド、さらにその後につづく、ロックミュージシャンに大きな影響を与えていくことになります。
そしてこの頃イギリスには、一風変わったプロデューサーが誕生しています。
おもなインスト・アーティスト | ||
ギター中心のインスト |
バック・バンド「レベルズ(Rebels)」(サックス-スティーヴ・ダグラス、ジム・ホーン、ピアニスト-ラリー・ネクテル) デュアン・エディは新人をバックバンドに採用することで音楽業界に優秀な人材を輩出 |
![]() Duane Eddy ![]() Rebels |
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![]() VIRTUES ![]() The Ventures |
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サックス中心のインスト |
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![]() The Royaltones ![]() Johnny & The Hurricanes |
ドラマー中心のインスト |
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![]() Sandy Nelson |
架空のスタジオ・バンド | ルーターズ(The Routers) マーケッツ(The Marketts) プロデューサー ジョー・サラシーノが優秀なスタジオ・ミュージシャン(ハル・ブレイン、トミー・テデスコ など)をあつめて作った架空バンド |
![]() The Routers |
他、オルガンインストなど、様々な楽器を主役に据えたインストが生まれた。 |
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